【小栗・松潤】『花より男子』で深い仲に、松本潤が『鎌倉殿の13人』最終回への出演を願い出た理由《どうする家康》


大河ドラマ > どうする家康 『どうする家康』(どうするいえやす)は、2023年(令和5年)1月8日から放送されているNHK大河ドラマ第62作でNHKテレビ放送開始70周年及び大河ドラマ放送60周年記念作品。室町時代後期から江戸時代を舞台に徳川家康の生涯を描く。…
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 松本潤が徳川家康を演じるNHKの大河ドラマ『どうする家康』が今月8日にスタートし、きょう第3回が放送される。

 先週の第2回では、回想シーンとして、まだ竹千代という名前だった幼い家康が、駿府の今川氏のもとへ人質に送られようとしていたところを尾張の織田方にさらわれ、若き信長(岡田准一)から手荒い待遇を受けるさまが描かれた。家康はこの経験がトラウマとなり、今川勢に付き従った桶狭間の合戦で国主の今川義元(野村萬斎)が信長に討たれたと知るや、すっかり恐れおののいてしまう。

一生頭の上がらない「ジャニーズの先輩」

 信長役の岡田准一は、主演の松本潤(現在39歳)の3歳上で、所属するジャニーズ事務所では1年早く入所した先輩である。岡田はジャニーズ入りした1995年にV6の結成に参加、松本は嵐の結成前のジャニーズJr.時代にその直属の後輩としてバックダンサーを務めただけに、《岡田くんは尊敬する先輩であると同時に、ある意味、家康と信長の関係性のような、まさに一生頭が上がらない存在です》と、ドラマのスタートを前に語っていた(『TVガイド』2023年1月13日号)。

 大河ドラマでも岡田は松本に先んじて『軍師官兵衛』(2014年)で主演を務めた経験を持ち、松本によれば《現場で何が起こっていて、どうすれば面白くなるか、役以外のことも考えて動いてくださって。役柄同様、翻弄されながらも引っ張っていただいています》という(『TVガイド』前掲号)。

 岡田と松本は、いまから18年前、2005年公開の映画『東京タワー』でも共演し、それぞれ年上の人妻と恋に落ちる青年を演じている。後年、嵐の番組にゲスト出演した岡田は、各メンバーにいまだから話せることを告白するなかで、このとき初めて嵐を離れて映画に出演した松本が、映画を見終わるや、色々教えてくださいとギラギラした感じで話しかけてきたため、受け止められないと思った――という話を披露した(『嵐にしやがれ』2013年4月20日放送分)。松本の勉強熱心さがうかがえるエピソードである。

 ちなみに『東京タワー』で松本が恋に落ちる人妻を演じたのは、『どうする家康』で語りを担当する寺島しのぶだった。彼女とは撮影中、演技以外の話も含め色々な話をするなかで、ここはこうしようああしようとディスカッションしながら芝居をつくっていったという。当時、20代前半の松本にとって、そういう経験ができたのはかなり大きかったようだ(『キネマ旬報NEXT』Vol.15)。今回も、語りが寺島に決まると松本は大きな期待をかけ、2人で《語りの主は、徳川家康をよく知る女性かな?
歴史上の人物かな?》といった話もしたという(『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 前編』NHK出版)。

ジャニー社長からの電話

 そもそも松本がジャニーズに入るきっかけは、自分で事務所に履歴書を送ったことだった。2つ上の姉がジャニーズファンで、一緒にビデオなどを見ているうちに、あの華やかな世界に自分も行きたいと、いつのまにか本気で思うようになっていたのだという。

 履歴書を送ってからしばらく何も反応がなく、半ばあきらめかけていたところ、当時のジャニー喜多川社長から電話があり、ダンスレッスンに誘われた。こうして半信半疑でレッスンに通い出したが、この世界に夢中になるのに時間はかからなかった。ちょうどジャニーズJr.だけで番組を持ったり、コンサートを行ったりできるようになった時期で、松本も13歳で入所した直後より、ジャニーズの先輩やそれ以外の芸能人と仕事をする機会に恵まれる。何も知らない中学生が浮かれるには十分な境遇だ。

 だが、こういうラッキーな出方をしたことは、じつは危ういのだとだんだん気づき始める。仕事をする先輩たちの姿を見るうち、「あれ、オレ何か、違うな。どうも、このままでは、ダメみたいだな。だけど、どこがいけないのか全然わかんねぇぞ」と思うようになったというのだ。

ついにやって来た「デビューの話」

 まさに“どうする松潤?”というべき局面だが、それでも彼はわからないなりに、プロの自覚をもって仕事に向き合うようになる。それが中学3年ぐらいのことで、ちょうどそのタイミングで嵐というグループでデビューする話が来た。こうして1999年、松本は嵐の一員としてCDデビューを果たす。夢がかなうとともに、《それまでフリーターだったのが、やっと正社員として採用された、みたいな》立場となり、ちょっとホッとしたという(『婦人公論』2005年12月7日号)。

 以来、個人でも俳優として着実にステップを踏んでいく。2001年に『金田一少年の事件簿』でドラマ初主演を果たすと、翌年には学園ドラマ『ごくせん』の生徒役で脚光を浴びる。その後盟友となる小栗旬と初めて共演したのも同作だが、このときは互いについてあまり知り合うことはなかったらしい。

 ただ、このころまだプロ意識など全然なかった小栗からすると、1歳下の松本は仕事熱心で、生意気という印象を受けたと、のちに本人との対談で語っている(『月刊ザテレビジョン』2009年6月号)。小栗いわく当時の松本は、醸し出す空気が全体的に生意気でピリついていたが、その後、2005年に学園ドラマ『花より男子』で再共演すると関係性が変わったという。松本に言わせると「丸くなった」かららしいが、同作がチームプレイ色が強かったことも原因しているらしい。

『花より男子』で育まれた関係性

 ここから2人はプライベートでも交流する仲へと発展した。ドラマも好評を受けて2007年には続編が放送され、翌08年には映画化もされている。松本が演じた財閥の御曹司・道明寺司は、ヒロインの牧野つくし(井上真央)のことを好きになりながらもツンデレな態度を繰り返すキャラで、彼以外に考えられないほどハマり役となった(ついでにいえば、同作で道明寺の姉・椿を演じたのは、『どうする家康』では家康の母・於大の方に扮する松嶋菜々子である)。

 2009年には、松本主演のドラマ『スマイル』に小栗旬が途中から出演した。このときの共演は、松本と『花より男子』スタッフによる仕事とあって、小栗が自分に合う役があれば参加させてほしいと話をしていたのが実現した格好だ。

 昨年放送の小栗主演の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、松本がその次の大河で主演すると決まったタイミングで、今度は逆に彼のほうから小栗の作品にちょっとでも参加したいという話になり、それを小栗が脚本の三谷幸喜に伝えたところ、最終回で松本が顔見世的に出演することになったという(動画「大河ドラマ主演SP対談」、『鎌倉殿の13人』『どうする家康』公式サイトで配信中)。

松本潤と小栗旬の「共通点」

 松本と小栗には共通点も多く、ともに舞台演出家の蜷川幸雄の薫陶を受けたこと、また演じるだけでなく裏方志向も強いことが挙げられる。後者でいえば、松本は嵐のコンサートで構成を担当してきた。2020年の嵐の活動休止を前に、メンバーがお互いの20年後を予想したときには、《松潤は海外に家を持っていそうだな》と相葉雅紀が言うと、櫻井翔が《それこそ海外でショーの演出とかやってたら面白いよね。リアルにありそう》と期待を寄せていた(『週刊朝日』2020年11月6日号)。

 今回の『どうする家康』では、従来、「悪女」のレッテルを貼られてきた家康の正室・瀬名(築山殿)を、有村架純がそのイメージを覆すようにホンワカとした雰囲気で演じているのも注目される。

 有村は、松本とはこれで3度目の共演となる。NHKのドラマ公式ガイドブックでの2人と脚本の古沢良太を交えた鼎談では、松本が《有村さんとの共演は3回目ですね。最初は僕の妹役、次が恋人役、今回が妻役。徐々にステップアップしているよね(笑)》と話していた(『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 前編』)。もっとも、ドラマ『失恋ショコラティエ』(2014年)に続く2度目の共演となった映画『ナラタージュ』(2017年)は、高校教師と元生徒の禁断の恋を描いたものだけに、恋人役というにはちょっとねじれた関係だ。

有村架純が感服した、松本潤の姿

『ナラタージュ』の撮影は嵐のコンサートと重なったため、松本はロケ先の富山と会場を行ったり来たりすることになった。有村は撮影時を振り返り、《松本さんがいないときは私が現場を守らないと、という気持ちもあって必死でした。「松本さんが戻る場所、確保!」みたいな(笑)。松本さんが現場にいらっしゃると安心して、肩の力がちょっとだけ抜けたんです》と語っている(『AERA』2017年10月9日号)。これを読むと、このときの有村はそのまま、『どうする家康』で家康が桶狭間へ出陣中、駿府で夫の留守を預かる瀬名の姿へとつながっているように思える。

 有村はまた、松本が『ナラタージュ』の現場で目端を利かせる姿に感服したという。これについて本人は、さほど意識しているわけではないと断りながら、《でも、自分以外の人たちがどう動いているのかはよく見えるほうかもしれません。誰がどこで何をしているのか、常に把握しようとしてしまう》、《僕がすべき仕事はカメラの前でお芝居をすることですが、加えて、もっと自分が現場でできることはないか、常に探しています。そう思って周りを見ると、同じように頑張っている人がいるのもわかるし、そういう人たちと「ものを作る実感」をより強く感じたいと思うようになる。完璧を求めているわけじゃなくて、「気にしい」なんですよ(笑)》と遠慮がちに述べている(『AERA』前掲号)。

 思えば、周囲に細心の注意を払うところは家康と通じるかもしれない。家康の場合はその積み重ねのうえ、家臣団をまとめあげ、ついには天下人へと昇り詰めたといえる。劇中ではいまのところ、家康が家臣たちから、ときに叱責されながらもリーダーとして覚醒していく過程が描かれている。ここから、瀬名との悲劇的な結末を含め紆余曲折を経て、老境に入り江戸幕府を開くにいたる家康を松本がどう演じるのか、現時点では想像もつかないが、その変化の過程こそ今回の大河ドラマの最大の見どころとなりそうだ。

(近藤 正高)

松本潤 ©文藝春秋




(出典 news.nicovideo.jp)